Bonjour 皆さん!
これまでに買い付けたアンティーク・ブロカントがほぼコンテナを満載するボリュームとなり、フランス買い付けは終了に近づいてきました。家具の隙間や引出の中にまだ多少のスペースがありますので、残された時間は少ないですが、小物限定でもう少しだけ買い付けを続けます。
ちなみに、買い付けの「終了」は以下の3つのうちいずれかで決まります。
- ・買い付け期間満了
-- 帰国便は決まっています、いつまでもフランスに滞在できません - ・コンテナ満杯
ーー 椅子やテーブルを持って飛行機に乗ることは出来ません - ・予算全額消化
ーー シンプルに言うと、もう金が無いということです
3つのうちいずれか、とはいっても、どれか一つの理由だけで終わってしまうのは無駄が多くリソースを使い切れていない下手な買い付け。実際は、・ちょうどコンテナを満杯にするくらいの商品を ・予算全額を使って ・帰国間際に完了するぐらいの期間で 買い付ける、という面倒なこと実現しなければいけません。けっこう疲れます。
突然ですがパートナーが変わりました。長い間、苦楽を共にしたパートナーとお別れするのは寂しいものです。新しいパートナーはPeugeotのPartner(日本未発売)です。
これから先、大きな家具を運ぶことはまずありませんので、運転しやすく燃費の良い小さな車の方が好都合です。小さいとはいえ一応バンタイプですので、後部座席を倒せば小ぶりのテーブルの一つや二つくらいは積み込むことができます。もちろんマニュアル車。日本ではこのサイズのフレンチバンとしてルノー・カングーがダントツの人気ですね(特に黄色いやつ)。
「雪のプロヴァンス」でご紹介した初代パートナーのMercedes Sprinterは、さすがMercedesだけあっていい車でした。シートの座り心地が良く、長時間ドライブも苦になりません。また、アクセルの反応もスムースで、運転していて大きなバンに乗っている感がほとんどありませんでした。価格もそれなりなのですが、やはりIVECOやPEUGEOTのバンとは大きな違いがあります。
Partnerへの乗り換え前にSprinterでちょっとした事件がありました。ぬかるみにはまってタイヤが空回り、動けなくなってしまったのです(汗)
事件が起きたのは前回買い付けで知り合った新しい友達のアトリエを訪れた時のことです。何日か前には問題なく駐車できた場所なのですが、前夜雨が降りぬかるんでいるところにうっかり進入してしまい。。。青空広がる南仏なのですが。。。
タイヤの前後に板や石を置いてみたり、なんとか動かそうとバタバタしていたところ、近くを通りかかった人が近所で重機作業中の方に声をかけてくれました。重機で牽引してもらったバンは無事ぬかるみを脱出!専門業者を呼んでいたらいくらかかったことやら、時間も無駄にせずすみましたし、本当に助かりました。プロヴァンスの方々はみな心優しく、たとえ異邦人でも困っている人を放っておきません。
そんな苦楽を共にした初代パートナーでした。そういえば借りて早々にキズを付けてしまい、ごめんなさい。
今回は「食べもの」をテーマにするつもりだったのですが、またいつものように筆が滑り長々と脱線してしまいました。
とはいえ、ブイヤベースやニース風サラダ、カリソンやトロペジエンヌ、カマルグの塩やエルブ・ド・プロヴァンスといったものは今回登場しませんので、あらかじめご了承ください。でもガイドブックには出ていない日常のフランス食も面白いですよ!
いきなりですが、とある日のランチをご紹介しましょう。前回の買付けでディーラー仲間に紹介してもらった某レストランが気に入り、お昼に再訪してきたときのものです。
日本に比べ外食費がとてつもなく高いフランスで(フランスが高いというよりも日本が極端に安いのですが)、オードブル+メイン+デザートが18ユーロと、どうにか手が届く価格の日替わりランチを提供しています。リーズナブルとはいっても、バゲットサンドイッチだけでランチを済ませることが多い私たちにとってはかなり贅沢です。
過去に何度も店の前を通ってはいたのですが、紹介してもらうまで利用したことがありませんでした。よし、ここで食べよう!と思うほど魅力的な店構えではないのです。
自分の地元ではないエリアで本当に美味しいものが食べたかったら、そこに住んでいる人に紹介してもらうのがベストですね!
さて、このカフェを紹介したのは、フランスでいつも美味しい物食ってるぞ自慢をするためではありません。高速SAの屋外ベンチ食やブランジュリーのイートインを除くと、今回買い付けの外食回数はたったの2回。しかもうち一回はマクドナルドですので、まとも?な外食は今のところ上記の1回だけなのです。ということで、どちらかというと金と時間がない自慢ですね。
あ、そういえばPAULでランチすることもありますよ。日本でPAULと言えばやや高級なイメージがあるかもしれませんが、フランスでは庶民派という位置づけ。高速SAなどでサンドイッチスタンドを良くみかけます。「PAULのスタンドでバゲットサンド購入→メインホール内の自販機でエスプレッソ購入→屋外ベンチか車の中で食べる」は高速移動中のよくあるランチパターンです。
次の写真はPAULのイートイン可能店舗でデザートも付けて少し贅沢したときのもの。シェーブルチーズのタルティーヌ、おいしかったです!値段はかなり違うかもしれませんが、日本店舗でも同じようなメニューを食べることができると思います。
仕事とはいえ貴重なフランス滞在ですので、夜はフランスならではの食材をしっかり食べています。
自分にとってフランスで欠かせない食材ベスト3は、パン、(ナチュラル)チーズ、ワインです。レストランやビストロで食べるわけではありませんので、ワインはスーパーで買う数ユーロのものでOK。つくづく安上がりな人間ですね(汗)
他にも好きなものはたくさんありますが、栄養バランスはさておき、この3点があればとりあえず満足です。本場フランスではどれも超が付く美味しさですから!
いくら日本のVIRONのパンが美味しいといっても、フランスで食べる焼き立てのパンには遠く及びません。ナチュラルチーズはチョイスが少ないですし、価格がフランスの3倍から5倍と高価でなかなか手が届きません。ワインも選択肢が狭く、空輸する高級品を除き輸送でかなりダメージを受けています。
もちろん逆方向の日本→フランスでも同じようなことが起きており、特に日本に問題があるということではありません。国レベルでも地産地消に勝るものは無いのです。
そういえば小学生の頃、今はなきパリ三越で日本食材の価格を見て、子供ながらに目の玉が飛び出たのを思い出しました。夢に見るほど煎餅が食べたくてとても楽しみにしていたのですが、さすがに諦めざるを得ませんでした。
次にB級食材行きましょう。フランスには日本には無いフレーバーのポテトチップスがたくさんあります。私の場合、日本で食べているフレーバーよりも口に合うことが多く、スーパーではポテチ選びが大きな楽しみ。消費量も多いため、一回の買い物で2種類は買います。フランス滞在中は健康のことは一切考えません(きっぱり)。
上の写真はとある日に買った、スモークハム風味とシェーブルチーズ風味のポテトチップスです。フランスではひまわり油(huile de tournesol)100%で揚げてあるものが多く、カラっと揚がっているように感じます。
スーパーの話が出ましたので、次は毎日のように利用しているスーパー(の食材)をご紹介したいと思います。日本でも都会から離れるほどスーパーの規模が大きくなりますが、フランスではその広がり方がけた違いです。とにかく田舎のスーパーはプロヴァンスに限らずどこも超ビッグ!
売り場構成も日本とはかなり異なります。次の写真はよく利用しているスーパーのワインコーナーの一部ですが、ワイン全体でこの棚の並び三つ分くらいのスペースを占めています。さらにシャンパンなどの発泡酒コーナーも別にありますので、ワイン好きにはたまらない、天国のような空間です。隅から隅まで一時間くらい見ていても飽きません。もっとも15分くらい経過したところで奥様に叱られますので、1時間見ていたことはありません。希望と現実が混ざってしまいました。
次はチーズコーナー。日本でもおなじみのboursinが見えますね。4種類のフレーバーと、それぞれ2パターンのパッケージがありますので、boursinだけで4×2の8種類。
このコーナーで販売しているのは工業生産の既製品チーズだけです。他に手作りチーズを切り売り販売しているブースがあり、より質の高いものを購入する場合はそちらを利用します。切り売りコーナーでは「何グラム」と指定するのではなく、「これくらい」と指で示して切り分けてもらいます。何事もアバウトなフランスらしい販売方法ですね。
そういえばあらかじめ切り分けた手作りチーズをパック販売しているコーナーもあったのを思い出しました。3パターンもの売り場があるとは、なんというフランスのチーズ愛!
さあ、次に登場するのはパンコーナーか?という流れですが、スーパーでパンを買うことはほぼありません。そこそこ美味しいスイーツは置いてあるのですが、パンはかなりイマイチ。たまに買うのは、早朝出発時にインスタントコーヒーで流しこむ用のパンオショコラくらいです。なぜか妙に日持ちするのが恐ろしいのですが、10個くらいのセットが1~2ユーロと激安で、重宝します。
最後にご紹介するのはまたもや乳製品、ヨーグルトコーナーです。
フランスのスーパーの売り場の中で、日本人にとって最も印象的なのは充実したヨーグルトコーナーかもしれません。ワインやチーズと違い、フランスの食材としてヨーグルトをイメージする日本人は少ないと思います。しかし、酪農大国のフランスはヨーグルトの消費量も多く、一人当たり平均で日本の倍近く食べているのです。
グルメなフランス人が生産するヨーグルトはバラエティーに富んでいて、カラフルな売り場は見ているだけで楽しくなります。もちろん健康志向な人向けのプレーンヨーグルトも販売していますが、多くは何等かのフレーバーを加えた甘いものです。
恐らく日本ではあまり好まれいないであろう、香り高いものが多いのもフランスヨーグルトの特長。私たちの好みは、濃いめの風味と香りがたまらないココナッツのヨーグルトです。
長くなりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
帰国の日も近づいており、次が最終号になるかもしれません。
またお会いしましょう、a bientôt !
Raphaël