Bonjour 皆さん!
おかげさまで無事に買い付けを終えることができました。
そろそろプロヴァンスからパリに移動します。パリ滞在はわずか1日半ですが、花の都でフランス買い付けの疲れを癒した後、日本に帰国する予定です。
今回も素晴らしいアンティーク、ブロカントでコンテナを満載にすることができました。商品の梱包が始まるのは少し先になりますので、日本到着までこれから2ヶ月くらいお待ちいただくことになると思います。ぜひお楽しみに!
買い付けた品をフランス買い付け紀行でご紹介せねば、と毎回思ってはいるのですが、帰国間際はそれなりにバタバタしているため、なかなか実現できていません。
清掃や修理などのメンテナンスがされていない状態でご紹介するのも申し訳ないですし、そもそも買い付け品は毎回200点前後あり、何をご紹介すれば良いのか悩んでしまうということもあります。
「良いものしか買い付けていない」という不文律がありますので、良いものを選んでご紹介いたします、というわけにはいかないのです。オトナの方はご理解いただけると思います(汗)
テーブルだけ、チェストだけ、照明だけ、のようにジャンルを限定するとご覧になる方も飽きてくるでしょうし。。。ルイ15世様式、ルイ16世様式、といったスタイルで分ける方法もありますが、少し堅苦しくて買い付け商品のご紹介という内容にはそぐわない気がします。また、アンティークの様式についてはいずれ体系的に書いてみたいと思っていますので、中途半端に触れるのも良くなさそうです。
と、あれこれ悩んでいてもキリがないので、今回はデコラティブ(装飾的)な品をご紹介させていただくということにしました。長くなりますので、デコラティブとは?のような定義系はスルーしましょう。
それでは先制パンチ、強烈にデコラティブな一品からスタート!
グリーン&ゴールドという色使い、”Méridienne”という家具の種類、天使のオブジェ、などなど、日本では馴染みの薄い要素が盛りだくさんです。
(エメラルド)グリーン&ゴールドは、フランスで好まれる色の組み合わせです。一部の方にとってはラデュレなどでお馴染みかもしれません。自然を代表する穏やかな色のグリーンと、人工的で自然界ではダイレクトに目にすることが少ない尖った色のゴールド。この両極端な個性のコントラストがシックな雰囲気を創り出すのです。
このコンビネーションにはレトロ&アンティークな香りがあるため、フランスでもモダンなインテリアで使用されることはありません。
“Méridienne” は”Chaise longue”(シェーズ・ロング)の一種です。 “Chaise longue” は直訳すると「長い椅子」。伸ばした脚を乗せてくつろぐソファースタイルの寝椅子です。ちなみに、カウチソファーのカウチ部分もフランスでは”Chaise longue”と呼ばれています。
”Chaise longue”は、以下のように分類できます。
- “Méridienne“
ーー 頭部とサイド(長辺)に背もたれがしつらえられたシェーズ・ロング。”Méridienne”の本来の意味は「昼寝」です。先ほどご紹介した椅子がこのジャンルに該当します。 - “Duchesse brisée“
-- 脚を乗せる箇所が分離されているなど、いくつかのパーツに分かれているシェーズ・ロングです。二つのシェーズ・ロングを対にしたものも、このジャンルに含まれます。 - “Récamier “
ーー 頭側と足側それぞれに背もたれがあり、ゴンドラのような形をしています。”lit-bateau”(リ・バトー= ボードベッド)に似ていますが、”Récamier “は寝室ではなくリビングで使用するものです。
次に行きましょう。椅子流れで、デコラティブなルイ16世様式チェアーをご紹介します。
高さ80数センチと、非常に小ぶりです。ルイ16世様式のチェアーは比較的多く作られていますが、ホワイトのフレームのものはあまり見かけません。さらに珍しいポイントは背もたれと座面に革を使っていること。革を使用したルイ16世様式チェアーと出会ったのは今回が初めてです。
デコラティブなフレームデザインが華奢で華やかな印象を与えています。大きなローズのガーランドがトップ中央にくぼみを作り、背もたれがハートのよう。
フレーム部の汚れを取って可能な限りメンテナンスしましょう。Nobles(貴族)の邸宅から出たものですし、王妃が使うようなチェアーに大変身すること間違いなし。ということで商品名は「王妃のチェアー」に決定です。
同じ出展者が販売していた、超が付く素晴らしいテーブルも同時に買い付けました。先ほどのチェアーとセットで使用されていたものです。
このテーブルにはゴールドもあしらわれています。ホワイト&ゴールドは日本でも馴染みがある組み合わせですね。例えば白い車体にゴールドのエンブレムのついた車など。
各所にリボンや花を模った美しいレリーフが施されていて、白地とのコントラストが何とも素敵な逸品です。これをデコラティブと言わずして何と言うのでしょう。どこまで白くなるかは試してみないとわかりませんが、こちらもしっかり積年の汚れを落として販売いたします。
シャビーな風合いもかなり気に入っていますので、自分用であれば清掃などのメンテはせずにこのまま使いたいところです。この状態で欲しい、というようなご要望があればHPからお伝えください。
紙面?も尽きてきましたので、残り1品にしておきましょう。
いかがですか?このキャビネット。色味はグリーン掛かった上品なグレイッシュホワイトです。リボンのガーランドをかたどった木彫りの装飾や手編みされた籐の小さな飾り窓が付いており、これまでお目にかかったことのない見事なデザインです。
本来の用途ははっきりわかりません。ミュージックキャビネットと言えなくもないですが、それにしては引き出しor棚が少なすぎるような気もします。もちろんどのような目的で作られたのかを気にする必要はありません。飾り棚としてお使いいただいてもいいですし、このまま置くだけでもリビングなどの存在感あるワンポイントアクセントになることでしょう。
デコラティブなアンティークたち、いかがでしたでしょうか?日本の一般的なインテリアには合いづらいとの印象を持たれる方も多いかと思いますが、直前で触れたように、ワンポイントでいいのです。あらゆる家具をアンティークで揃える必要はありません。フランスや米国ではモダンまたはナチュラルなインテリアに、少しだけデコラティブなアンティークを置く、というスタイルが大人気です。
日本では古道具系の家具、つまりブロカント品は受け入れられていますが、出自はありふれた日用品ですので、どうしても無難で無個性なインテリアになってしまいます。「皆と同じ」ではない、個性的なのも素敵ですよ!
それでは本日はここで終了とします。
次はパリでお会いしましょう!
À bientôt !
Raphaël
BONUS 日本で撮影した商品写真です