Bonjour 皆さん!
フランス買い付けの日々もそろそろ終わりに近づいています。ショップ販売用のアンティーク家具・雑貨仕入れはほぼ目標量に達しました。
目標量という言葉は、テーブル何個、チェアー何脚、のような定量的なものをイメージさせるかもしれません。しかし、現行品と違い、アンティークの買い付けはその期間中の偶然とも言える「出会い」に大きく左右されるため、定量的な目標が立てづらいのです。
そのため、目標量はコンテナ積載可能量及び買い付け資金残高によって決まるファジーなものになってしまいます。もちろんざっくりとした計画は立てて買い付けに臨むのですが、達成できたことも、計画にそこそこ近づいたこともありません(汗)
前置きが長くなりました。
日程に少し余裕がある状況になりましたので、前から気になっていたプロヴァンスのアンティーク建材を専門に扱う建材屋に行ってきました。「屋」というと小さなお店のようですが、広大な敷地にアンティーク建材をストックし販売している会社です。下の写真の赤いラインで囲まれているエリアがその敷地です。隣接するパーキングに停まっている車と比較すると、その広大さがイメージできるかと思います。
当日は特に予約せず飛び込みで訪れたのですが、快く迎えていただきました。案内役はまだ20代後半とおぼしき若者で、オーナーの長男。話してみると、なんと数年間日本に住んでいたことがあり、日本人の彼女もいたそうです。本人曰く、「ふられたのでフランスに帰ってきた」とのこと、ほんまかいな?
構内には、ありとあらゆるプロヴァンスアンティーク建材が大量にストックされていました。日本やアメリカにも南仏・南欧風の住居がたくさん建てられていますが、ポイントとなるのはやはり屋根瓦ですね。もちろんその屋根瓦の多くは新しく作られた現行品ですが、欧米ではこだわりのあるリッチマンたちやショップオーナーなどがアンティークの屋根瓦を利用して素敵な空間を創り出しています。
下の写真は施工された瓦を真横から見たものです。ちなみのこの建物は新しく建てたものなのですが、町の景観に影響を与えないようにあえてアンティークの瓦を使用したとのことでした。
と、ここまで施工方法を中心にお話してきましたが、プロヴァンスで撮影した写真をチェックしていたところ、かなり独創的な施工の屋根が見つかりました。瓦を三層にも重ねた厚い屋根です。使われている瓦はご紹介した”tuile canal”ではありませんが、遮熱を目指した施工なのかもしれません。
古い瓦をアップで見ると、まるで前歯のようですね。
瓦の近くには、日本でもお馴染みの六角形テラコッタタイルがたくさん並んでいました。こちらもプロヴァンス建材の定番品ですね。テラコッタタイルはフランス語で”tomette”、六角形は”hexagonale”です。六角形のテラコッタタイルはシンプルに”tomette hexagonale”と呼ばれています。(”tomette”の1語だけで、六角形のテラコッタタイルを指すこともあります。)
水回り系アイテムや、ストーンタイルなども様々な種類、形のものが並んでいました。以前、ガーデン用にアンティークの石(舗石や縁石など)を何種類か仕入れたことがありますが、短い距離の移動でもかなり苦労しました。石は見た目の印象よりかなり重量があるのです。相応の重機や技術が必要になりますので、だれもが扱える商材ではありません。
建物の解体で出た大きな梁(はり)や柱もあります。なぜ西洋の石造りの家に木製の梁や柱があるの?と疑問に思われるかもしれませんが、実は石造りの建物でも屋根部分には木の梁や柱が使われているのです。メンテナンスをしていれば木材の強度は意外と長持ちするもので、1,000年~2,000年、あるいはそれ以上の期間屋根を支えることができるのです。
さほど数は多くはありませんでしたが、アイアンゲートやグリルなどもいくつかディスプレイされていました。
この白いゲートは表面のシャビー加減が素晴らしく、圧巻でした。コンテナにまだ空きスペースが残っていれば、このままバンに乗せて持って帰りたかったです。
とりあえず今回は小手調べ、今後どのようなビジネスに結び付けられるかじっくり考えていきます。
それではまた!