新しい企画に向けて

3日連続ビッグフェアの最終日から2日たちました。

プロ向けのビッグアンティークフェアは、開催される場所によって微妙に商品の傾向が異なります。一昨日のフェアの開催場所はスペインに近いエリアで、比較的デコラティブなものが多いのが特徴です。ヨーロッパでは、インテリアデザインは南に行けば行くほどカラフルでデコラティブになります。

ヨーロッパの中でも北に位置するイギリスはカチっと堅い感じ。同じ北でも北欧はグスタヴィアンアンティークなど、イギリスに比べてやや柔らかめではありますが(柔らかいのには歴史的な理由があります、話し出すと長くなってしまいますので今回は割愛)、色という要素は少なくなります。

場所柄、会話はスペイン語のみという売り手も多いので、身振り手振りでの交渉になることもあります。(フランス語どころか英語もわからない方もかなりいらっしゃるので。。。)フランス人相手のようにディープな交渉はできなくても、指を使ったり紙に書いたりして、価格交渉は何とかなります。売りたい人と買いたい人を結ぶもの、共通の関心は世界中どこでも同じで、価格。売買のタイミングで決済し商品をすぐに引き渡す場ではそこさえ一致すれば話はまとまりますので、とてもシンプルです。

アンティーク家具が並ぶ蚤の市の風景

一日進んで次の日、大事な打ち合わせがありました。

今回の渡仏では、現在企画中の日仏共同ビジネスに関して現地パートナーの方と詳細を詰めるという重要なタスクがあります。このパートナーの方とは、普段メールやスカイプなどでやりとりをしていますが、大事な打合せはフェイストゥフェイスで行うと広がりも変わってきますし、お互い信頼感を持って進めることができます。

フランス人のビジネスパートナー

人の良さそうなおじいちゃん、という雰囲気ですが、アンティークディーラー暦40年超のベテランで、以前はパリのクリニャンクールで店を持っていたこともある方です。

あのころは店の真ん中に超高価のアンティークを一点だけ置いて売っていたこともあったな。

バブル真っ盛りの時代だったので、裕福な外国人がたくさん訪れるクリニャンクールでは、そんな売り方でも十分成り立っていたそうです。

ちなみに、パリ好きの方にはお馴染みのクリニャンクール(アンティークショップ街)やヴァンヴ(蚤の市)は主に観光客向けに営業しています。観光客や一般人をターゲットにした売値になっていますので、仕入れ目的で購入するのは止めておきましょう。

その後、大金を投じて準備していたあるプロジェクトがリーマンショックの影響で中止になったんだよ。資金が枯渇してパリの商売が全てダメになり、新しい地平を求めて南仏に移住してきたんだ、ハッハッハ涙

ご愁傷様です。。。

この日はフランスアンティークに関する薀蓄うんちくもたっぷり聞くことができましたし、新企画に関する協議もかなり進み、実りある時間を過ごすことができました。(レストランの方、長時間居座ってしまいすみません!)

その後、月単位で借りることの出来る倉庫や長期滞在に使える安いgîte(貸別荘のようなもの)なども案内していただき、感謝感謝です。

コンテナ貸倉庫
南仏のコンドミニアム
コンドミニアムのオーナーと一緒に

右側に立っている女性はご紹介いただいたgîteのオーナーです。私の顔が赤っぽいのは傘の反射です!

今週の土曜日に、これまで知らなかった穴場の蚤の市に朝5時から案内していただけることになりました。アンティーク・ブロカントは仕入れが命ですので、買い付けできる場所が増えるのはありがたいことです。(後記:価格はかなり安めでしたが、泥棒市のような雰囲気があり、少し怖かったです)

ちなみにこの記事を書いている本日は、今回の仏滞在で唯一のオフ日です。日本でも直近の一ヶ月近くは買い付け準備などもあり完全オフ日がありませんでしたので、ゆっくり休ませていただきます。

奥様もかなり疲れがたまっているようで、先ほど朝食を食べたあとベッドに倒れこんでしまいました。自分も後を追って一時間くらい横になる予定です。

明日から地道に田舎町の小さな蚤の市やアンティークショップなどを攻めていく予定です。
それではまたお会いしましょう、 à bientôt !

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