花の都パリと華麗なアンティーク展

Bonjour 皆さん!

久しぶりにパリに来ています。あ、帰国後に書いていますので、正確にはパリに行きました、です。

とにかく短いパリ滞在でした。「プロヴァンス→夜パリに到着→2泊→朝日本に向けて出発」という、活動可能期間が実質1日の哀しいスケジュール。せっかくの貴重な機会ですのでもう少し長居したいところですが、日本でもお仕事が待っています。日によって大幅に異なる航空券代ともにらめっこし、このような短い日程になってしまいました。

厳しい日程にも関わらずパリに立ち寄ることにしたのは、 ①久しぶりに高齢の叔母に会う ②”Musée des Arts décoratifs”(パリ装飾美術館)でアンティークに関する展示を見る という二つの目的があったからです。

実質1日という活動時間の中で、この2つの目的を果たしながら残りの時間で可能な限りパリを堪能する、というかなり難易度の高い願望も叶えなければなりません。

久しぶりのパリ!いつもと同じパリが待っていました!Paris est toujours Paris ! Paris sera toujours Paris !

パリの街並み
パリ凱旋門

パリの歴史は紀元前259年頃にパリシイ族がセーヌ川右岸に町を作ったところから始まります。パリという名前が正式に付けられたのは4世紀。諸説ありますが、パリシイ族の「パリ」から町の名前が付けられたという説が、学術的に最も有力なようです。

それではいつ頃パリがフランスの首都となったのでしょうか。これは「フランス」という国を歴史的にどのように定義するか、その定義の仕方により大幅に変わってしまいます。最も古くはフラン”ク”王国のClovis王が紀元508年にパリを王国の首都と定めています。しかし、フランク王国は9世紀に3つの王国に分割され、その後それぞれがフランス王国、神聖ローマ帝国、イタリア王国の母体となりました。「パリは508年にフランスの首都になりました」と言っていいのかどうか、微妙なところです。

歴史は続くよどこまでも~、きりが無いのでこの辺りで止めておきましょう。

それでは第1の目的、叔母のアパルトマンへallons-y!

パリに住む叔母、ノエル

とても元気な80代半ばの叔母。私の母の妹です。クリスマスに生まれ、名前は”Noëlle”になりました。こう見えて(どう見えて?)ソルボンヌ大学卒の才女です。

叔母のアパルトマンを訪れるのは久しぶりです。おっと、リビングのインテリアがグレードアップしていますね。日本の絵なども取り入れた和洋折衷な雰囲気が素敵です。後ろに見えるグリーンのアームチェアーは叔母の祖父母、つまり私の曾祖父母の代から受け継いでいるものだそうです。古いものを大事にするフランスでは、本物のアンティークが日々の生活に根付いています。

ソファーに座り叔母と雑談をしていると、近くのコンソールミラーに飾られた数枚の写真が目に入りました。見慣れた顔が並んでいます。左から祖父のYves、若かりし頃の母親Armelle、そして昨年亡くなった叔母のFrançoise。デジカメやスマホの登場で写真はすっかりデジタル媒体化されましたが、部屋に家族の写真を飾るという習慣もいつかなくなるのかな?

祖父、母親、叔母フランソワーズの写真。

母方の家族についてはプロフィールページでもご紹介していますので、よろしければご覧になってみてくださいね。

ほんのひと時でしたが、子供の頃から仲の良かった叔母と楽しい時間を持つことができて大満足です。次回は事前にしっかり周知して、今回会えなかった従兄弟たちも含め一族大集合できるようにしましょう。

叔母に別れを告げて第2の目的地、Musée des Arts décoratifs(パリ装飾美術館)に向かいます。現在、この美術館では1700年代以降のアンティークに関する展示会が開催されています。すみません、展示会の正式名称は忘れました(汗)

なぜ今さらアンティークを見に行くの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。たしかにフランス買い付けで多くのアンティーク品を見てはいます。しかし、フェアーや蚤の市で販売されているアンティーク品は玉石混交。権威ある美術館・博物館などでお墨付きのついたものを間近に見ることで、本物の時代感や質感などを再確認することができるのです。本物であることが100%保証されている品を見ることは、目を養うための確実で効率的なトレーニングであると言えるでしょう。

また、もう一つのお楽しみは美術館内のジュエリーギャラリー。中世から現代に至るフランス・ヨーロッパのジュエリーの歴史が紹介されています。展示物は約1,200点に及び、リング、ネックレス、ブレスレット、ブローチなどの希少アイテムが年代順にガラスケースの中に展示されているさまはまさに壮観!後ほど少しご紹介いたします。大変見ごたえがありますので、ジュエリーにご興味にある方はぜひこのコーナーも訪れてみてください。

美術館内で撮影した写真をいくつかお見せします。

まずは教科書的な展示コーナー。

たくさんのアームチェアが展示されているパリ装飾美術館内の展示室。
光り輝くニス塗りの木製家具が展示されているパリ装飾美術館内の1コーナー。

これだけ体系的にさまざまな様式を見ることができる場は他にありません。もちろんアンティークの専門書籍も存在しますが、実物の質感は写真で表現しきれるものではないのです。

実在した貴族・王族の部屋を再現した展示室も。いずれも息をのむような美しさでした。前投稿でご紹介した「デコラティブ」の概念をはるかに超える、究極のデザインです。

シックで高級なアンティーク家具が溢れかえるパリ装飾美術館内の展示室。
大きくゴージャスなシャンデリアが中央に鎮座するパリ装飾美術館内の展示室。

細密な彫りのフレームが目を惹くアームチェアーとソファー。アームチェアー横のチェストも素晴らしすぎます。

ゴージャスなアームチェア
シルクの座面が輝く3人掛けアンティークソファー

とどめの一枚はナポレオン1世の玉座。とにかく大きい!座って記念写真でも撮りたいところですが、さすがに無理です。

ナポレオン1世の玉座

そして、こちらは私が若い頃から憧れてきたアンティークジュエリーがたくさん展示されているジュエリーギャラリー。中世やルネッサンスの代表的な作品に続き、18世紀のジュエリーや、宝石商アンリ・ヴェヴァーが寄贈したコレクションによる19世紀のジュエリーも展示されています。また、アールヌーボー(ルネ・ラリック、ジョルジュ・フーケ、ルシアン・ガイヤールなど)や アール・デコ( レイモン・テンプリエ、ジャン・デプレ、ジャン・フーケなどのデザイナー、ブシュロン、カルティエなどのグランメゾン)の素晴らしい作品を見ることができます。

有意義で充実した時間を過ごすことができました。企画・運営された方、ありがとうございます!

日が暮れるまでまだまだ時間がありますので少し近所を歩いてみましょう。

パリ装飾美術館はルーブル美術館に隣接する素晴らしい立地にあります。数分歩いてコンコルド広場に到着。ホテル・ド・クリオン(Hôtel de Crillon)も見えます。

ホテル・ド・クリオン

建物はルイ15世が1758年に作らせたもの。歴史や格というものを感じさせるファサードです。ホテルとして営業しているのは1909年から。宿泊料金をググったところ、一泊15万円からだそうです。永遠に泊まれないなこれは。

その後もメトロを駆使してパリ市内あちこちに移動。オペラ座、マレ地区、ヴォージュ広場、シャンゼリゼ etc。気が付けば夕闇が迫っています。

パリのオペラ座

オペラ座の写真左下は久しぶりのパリにエキサイトする我が奥様。この日は朝から晩まで目が血走っていました。久しぶりといっても2年ぶりくらいなのですが、以前はパリの生き血を吸って生きていましたので、欠乏症がかなり進行していたようです。

ヴォージュ広場
エッフェル塔、コンコルド広場のオベリスクが写るパリの夕景

まだまだパリの写真をご紹介したいところでが、すでに枚数過多で皆さまの表示が重くなっていることでしょう。これ以上は容量的に厳しそうです。

夕食は、パリ滞在中に必ず一度は訪れるお気に入りのクレープリー(Crêperie)。フランスでクレープリーと言えばそば粉で作った食事用のクレープ、つまりガレット(Galette)がメインのレストランのことです。メインディッシュのガレットを食べた後、デザートとして甘い系の小麦粉クレープを食べます。

糖質ワールドにどっぷりといった感じですね。でも、そば粉は低GIでグルテンフリーですのでさほど気にすることは無いでしょう。(と自分に言い聞かせています)

パリのクレープリーで食べたガレット。

この盛りだくさんな具をご覧ください!日本にも美味しいガレット屋さんはありますが、具材だけはどうしても本場フランスにかないません。技術の差ではなく(日本発の某店はフランスでもいくつか店をオープンし、本場のベストクレープリー賞を取っています)、入手できる食材の種類や価格の違いが原因です。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

それではまたお会いしましょう!

Raphaël

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